国分寺市のお年寄りの施設「すこやか」で踊りました ― 2011/11/08 09:45
先日、「すこやか」で踊ってきました。
「すこやか」というのは、国分寺市の、
介護が必要なお年寄りのための福祉施設です。
震災後、
これからの世の中に、オイリュトミーは必要な物のはず、
もっと多くの方に知っていただくにはどうすればいいだろうか、
と考えていたところ、
ちょうど、月一回の天使館の集まりで、
劇場で踊るだけでなく、もっといろんな方のところへ出かけて行こう
という話が持ち上がり、参加させてもらったのです。
50~60名ほどもいらしたでしょうか、
昼食後の時間にレクリエーション室に集まっていただいての
小さな公演でした。
私たちは、プログラムの1番。
パッヘルベルの「カノン」を
ピアノ用に編曲してもらったものを踊ったのですが、
踊り始めたとたんに、
とてもまっすぐな、食い入るような視線と、
とても、とても温かい雰囲気に包まれました。
天上的な感じの美しい曲ですが、
その時は、光と共に愛のエネルギーがあふれる感じで、
稽古やゲネで何度も踊った曲なのに、全く違う雰囲気になりました。
先日、師の笠井叡がコンテンポラリーダンスのシンポジウムで語っていた、
ダンサーは感覚器官となって、観客と一緒にダンスを作るのだ、
という話を思い出しました。
オイリュトミーとコンテンポラリーダンスという違いはあっても、
踊る者と観客との関係性は同じなのかもしれない、と思いました。
素晴らしい体験に感謝しています。

あれから8カ月です ― 2011/11/11 12:32
昨日ツイッターで、被災された高校生が問いかけていました。
みなさんの心の中に、あの時の想いは残っていますか?と。
もちろん、忘れていません。
あの日から、全てが変わってしまいました。
あの津波は、私の一部をも、どこかへ持ち去りました。
胸の一部が欠けてしまった感覚は、いまも生々しくあります。
オイリュトミーシューレで
「民族身体」のことは教わっていましたが、
日本という民族の身体を自分も持っているなどと、
実感したことはありませんでした。
世界のことばかり考えて、
もう自分は、国などというものからも自由になれるのではないかと、
とんでもない幻想を抱いていたものです。
でも、実際にそれの一部が損なわれてみると、
欠落感は大きく、具体的です。
その後、
さまざまなことが明るみに出て、
この国には、
素晴らしい方がたくさんいらっしゃることもわかり、
非道なことがたくさん行われていることもわかり、
自分で、いろんなことを知って、
あらゆることに責任を持って生きて行くことが必要なのだ、という
本来はもっと前から認識していなければならなかったことに気付き、
自分が、どれくらいのことならでき、どれくらい無力か、
ということも少しずつ見え・・・
なにもかもはできない
では、自分は何をやるのか、何を諦めるのか、
去年くらいからのテーマが、ますます大きくなってのしかかってきています。
何もかも、諦められない自分の、
でも、全てをするにはどうしようもなく無力な自分の、
できることを探しながら、
また一日、歩んでいきます。

OK! JOHN‘S AIKAWA FEAST ― 2011/11/13 12:46
舞台照明家のアイカワマサアキさんが急逝されたのは、昨年の暮れのことでした。
享年61歳。
あまりにも早すぎる、突然のお別れでした。
私たち天使館の二期オイリュトミーシューレのメンバーは、
卒業公演、その後のフォルトコースや
ペルセパッサオイリュトミー団の公演でも、
いくつもの公演の照明を、アイカワさんに手がけていただきました。
あの、あたたかい、飄々としたお人柄で、
いわば、よちよち歩きの頃から支えていただいたのです。
そんなアイカワさんのために(彼を肴にして、とチラシには書かれています)、
11月18日(金)と19日(土)に、東京・両国のシアターX(カイ)で
「オッケー! John‘s アイカワ祭」が開催されます。
アイカワさんを敬愛する多くの踊り手、俳優、照明家、演劇人、歌手、写真家等
多彩なメンバーが一同に会します。
天使館のメンバーも、20分程度の
オイリュトミーの作品を披露することになり、僕も、
言葉のオイリュトミーの作品で、朗唱をさせて頂く事になりました。
作品は、アイカワさんのお好きだったノヴァーリスの詩が2つ、
そして、音楽の作品です。
アイカワさんの生み出す、
光と闇が交錯する素晴らしい照明を思い出しながら、
心をこめて朗唱したいと思います。
天使館は、
19日の最後に出演する予定です。
よろしかったら、ご覧いただければ幸いです。
予約・お問い合わせは、下記まで。
シアターX(カイ) TEL 03-5624-1181

11月のワークショップは24日夜です ― 2011/11/20 15:05
今週の木曜日、
Lands and Skiesのオイリュトミー講座を開催いたします。
経験不問です。
初心者の方も、オイリュトミーをもっと深めたい方も、是非ご参加ください。
お待ちしております。
★日時:11月24日(木)19:00~21:15
★場所:国分寺市立いずみホール 練習室
(JR中央線・武蔵野線 西国分寺駅前)
★参加費:2000円
★服装:動きやすい服でどうぞ。長いフレアースカートなどでも可能です。
靴は、専用の底の薄いシューズがあるのですが、とりあえず、
滑りにくくてできるだけ動きやすいもの(なるべく底の薄いもの)で。
木の床ですので、足の裏に自信のある方は、はだしでも可能です。
オイリュトミーは、
詩や音楽と、光や風や水や熱と、
自分のすべてを使って関わろうとする踊りです。
ふだん使わずに眠らせてしまっている感覚を呼び覚まし、
私達の身体が大宇宙と呼応する小さな宇宙であることを思い出したとき 人は本当にいきいきと生き始めるのです。
場所や今後の予定などの詳細については、
私たちのホームページ または
あいうえおいりゅとみー でご覧ください。

アイカワさん ありがとうございました ― 2011/11/21 17:59
先日ここでもご紹介しました、
「オッケー! John‘s アイカワ祭」が無事に終了しました。
2日間に渡り開催されたフェスタは立ち見がでるほどの盛況で、
両日とも、4時間にも及んだ舞台には実に多彩な方々が登場しましたが、
祭りの名にふさわしい自由な雰囲気の中で、
出演者も観客も入れ替わり立ち替わりしながら、
本当にこの場にいることを楽しんでいる人々の思いに劇場中がすっぽりと包まれているような、
とてもあたたかな、希有な空間が現出していました。
こんなにもたくさんの、こんなにも多種多様な人々が、
アイカワさんへの思いでつながっていることに驚き、
アイカワさんは本当にいろんな方に信頼され、愛されていたのだということを、
一つ一つ作品を観ていくうちにしみじみと実感しました。
ジャンルが違い、手法が違い、表現方法や方向性が違っても、
どの人も、アイカワさんと刺激しあい、共に作品を創ってきた仲間なのです。
最後に挨拶をされた、奥様の相川千里さんは、
今でもときどき、アイカワさんが、どこか遠くの街の小さな劇場で、
舞台を作っているような気がする、と、おっしゃっていました。
本当にそうなのかもしれない、と、思ってしまいました。
配られた小冊子で引用されていたアイカワさんの言葉が素晴らしかったので、
ここでも引用させてもらいます。
東洋の端、日本から世界に発信するB級ダンスは決して国内で固まっているコンテンポラリーでもなく、切り口がまったく個人的な、しかも何億光年も化石のなかで輝きを放っている世に出ていない原石である。世の動向とは別に、辛抱強く、本人がその輝きを少しでも感じ、信じて踊るなら、腐らずに一緒に創造(破壊)しよう。
アイカワマサアキ
素晴らしい場を創り上げて下さった実行委員の皆様に、心から感謝しています。
そして、
アイカワさん、本当に、ありがとうございました。

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