ドキドキしています2019/07/16 11:21

大好きだったのに、

引越してなかなか行く機会がなくなった本屋さん。

たまたま近くへ行ったので立ち寄ってみました。

平積みの本を見ていると、心惹かれる装丁の文庫本が。

手に取って少し読んでみたら、なんだか変わっていて面白そうです。

気晴らしがしたくて喫茶店にでも入ろうかと思っていたのですが、その本を買ったらすっかり嬉しくなって、そのまま寄り道せずに帰ってきました。

 

「あずかりやさん」という変わったお店を舞台にした連作短編で、一篇ごとに語り手が変わります。

その、語り手の選び方がユニークなのです。

夢中になってあっという間に全部読み終え、

思い切り後悔しました。

一日に一篇ずつと決めて、

ゆっくり味わって読めばよかった。

 

でも調べてみると、その本自体もシリーズの3冊目ですし、同じ著者の作品は他にも何冊も出ていて、なかには人気のシリーズものもあるようでした。

栃木の「うさぎや」という本屋さんから人気が出てベストセラーになったそうで、あの魅力的な装丁も、その「うさぎや」さんが企画した特別カバーなのだそうです。

面白い本屋さんがあるのですね。ぜひ行ってみたいです。

 

ネットを見ると、

あらすじが書いてあったりもしてしまいます。

私は、何も知らずに読み始められて良かったと思います。

自分だけでそっと浸っていたい、そんな世界です。

 

さっそく、同じシリーズの2冊はもちろん他の本も、

ネットで大人買いしました。

届くのが待ち遠しくて、

ちょっと恋でもしているような気分です。





BEAD ART Vol.20発売2017/01/11 21:30

BEAD ARTVol.20が発売になりました。

今号の巻頭特集は「ビーズ刺しゅう」がテーマでした。

華やかで繊細、とても美しい刺しゅうですが、ビーズと組み合わせたときの表現の豊かさも見どころです。

オートクチュールの衣装を飾るような豪華なものから身近な可愛らしいものまで、さまざまな作品が勢ぞろいして、ビーズ刺しゅうの「いま」が手に取るようにわかる特集となっています。

 

部分的とはいえ編集に関わっている私が言うのもなんですが、この雑誌は、いつも

情報のバラエティも質もともに素晴らしくて、

ビーズアクセサリーに関わる方はもちろん、

可愛らしいものや美しいものがお好きな方や、

「ものづくり」に関わるさまざまな方々に、

ぜひ読んでみていただきたい内容です。

 

下記のところでネット注文が可能です。

http://www.bead-art-kobe.com/

書店でお求めの方は、

全国のジュンク堂で販売されています。

ぜひお手に取ってご覧ください。

 




Bead Art Vol.15 が発売されました2015/10/11 16:37

私が編集に参画しています「Bead Art」の

15号が、発売されました。

 

今号の巻頭特集のテーマは、

Crystal Dream

   ―スワロフスキー・クリスタルを使って

です。透き通る輝きが秘める、夢の世界をご堪能下さい。

 

アトリエ訪問では、利魔さんを取材しました。

アフリカンビーズやアンティークレースのコレクターでもある

利魔さんの、独自の世界を垣間見ていただけます。

文化というもの、人の業にも思いを馳せた、意義深い取材でした。

ウタ・オーノさんの連載、今回のテーマはセラミックスです。

余合ナオミさんの連載は、もうすぐ刊行される本の制作裏話を。

 

毎号、自分が担当した以外の頁は本が出るまで読めませんので、新刊が届くとワクワクしてページをめくります。

今号も素晴らしい記事が満載でした。

 

下記のところでネット注文が可能です。

http://www.bead-art-kobe.com/

書店でお求めの方は、

全国のジュンク堂で販売されています。

ぜひお手に取ってご覧ください。

 






「2050年は江戸時代」石川英輔著 を読みました2015/07/28 21:28

最近、面白い本を読みました。

2050年は江戸時代」石川英輔著

講談社文庫です。

衝撃のシミュレーション という文字が、トップに置かれています。

 

原発事故前に書かれたものですし、

実際にこういう風に物事が進むのかどうか、

ということは置いておいて、

現代社会の抱える問題点、危うさが、

非常に明快に描かれています。

このまま続けていけるわけがない、ということは、

心しておかなければならないと思いました。

原発の問題や、文化については触れられていないのですが、人が本当に幸せに生きていける社会とは?と考えるうえで、参考になります。

 

強い政府など無いほうが日本はうまくいくのではないか、

という考察は、面白かったです。

確かに、

国民から搾取すること(お金はもちろん,命すら!)

しか考えない政府なら、

ないほうがいいと思います。

 

何かを判断しなければならないとき、

困ったらそもそもの初めに戻ってみる、というのは、

非常に有効なやり方だと思っています。

脳みそをシャッフルして、

それを可能にしてくれる本だと思いました。

 





河合隼雄「中空構造日本の深層」・高橋源一郎「ぼくらの民主主義なんだぜ」2015/07/10 21:24

最近読んでいる本をちょっとご紹介します。

 

まず読んだのが「中空構造日本の深層」河合隼雄著。

普通の視点とは違う角度から光を当てた深い日本人論が収録されていて、なるほど!と膝を打つ感じがあります。いま起こっているさまざまな若者の問題について、安易に「父権への回帰」を叫び、締め付けの強い教育、ひいては徴兵制までをも云々することの愚を解いていられて、

今の時期に読めて良かったと思いました。

 

そしていま読んでいるのは、

「ぼくらの民主主義なんだぜ」高橋源一郎著 です。

タイトルも魅力的ですが、帯の言葉「絶望しないための48か条」に強く惹かれました。

あまりにでたらめなことが力任せに横行していて、絶望的な気分になることも多い昨今、救いがほしかったのです。

朝日新聞の連載「論壇時評」を本にまとめたものでした。

納得できる、確かな言葉の数々に触れ、絶望しないでやっていこう、と思えるようになっています。

 

 

いま、私たちが、大変な歴史の転換点にいるのは確かなことです。

戦後70年をかけて周到に外堀を埋められてきて、

いよいよ本丸が攻め落とされようとしている、という感じがします。

(今、こう書きながら、自分が無意識に使っているたとえが、戦いに基づくものだということに、ああ、やっぱり、という気がしています。

「まず、自分から」というのはこういうことなのだろうと思います)

 

そこかしこにさまざまな不条理が見られます。

進歩だと思って進んできた中で、見失ったものはたくさんあると思いますが、

かといって、昔がよかったということではありません。

気付いていなかった、見ずに来てしまった物事にしっかり目を開き、ここまでの歩みを大切な学びとして、

いままでなかったものを、新しく作らなければならないのです。

 

「ほんとうのこと」を見通そうとするとき、「道」は一つではないことがわかります。

それぞれの場所で真摯に取り組んでいる方々が、実はたくさんいらっしゃいます。

何も見ずに来た自分を反省して目を見開いてみたら、悲しいこと、あってはならないこともいろいろ見えましたが、

いま日本中で、たくさんの希望の種が芽吹き始めていることも見えてきました。

 

その、人々の、自分にとっての「ほんとう」を求める思いから発した自由な試みが、

十全に育っていける環境を確保するために、

とにかく今は、すべてを「力」で押し潰そうとする流れを何とかしたいのです。

 初めは、「流れを押しとどめる」という言葉を使おうと思いました。でもそれでは、同じ「力」の勝負になってしまいそうです。

どうしたらよいのでしょうか・・・

やはり、「道」は一つではないのでしょう。

 

さまざまな場面で、心の中に、

谷川俊太郎さんの詩の

「そして かくされた悪を注意深くこばむこと」

という言葉が響きます。

北村薫さんの小説の

「本当にいいものは、太陽のほうを向いている」

という言葉も響きます。

 

個人の内面のごく繊細な次元から、もっと大きな、社会的な次元まで、

すべてを包含する、言葉の力。

すぐに壊れてしまう、柔らかくて繊細な、

そして、

すべてを生み出した、ものすごく根源的で大きい、

力です。

自分は、それを信じてやっていこう、と、

あらためて思っています。