『丹野智文 笑顔で生きる―認知症とともにー』を読んで2020/07/29 16:32

辛かった時期に読んで、

とても助けになった本のご紹介

3回目は

『丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-』 です。 

 

この本は、

先に著者を動画で見て

それから本を探して読みました。

  

高校の時の友だちが、

私が母を介護していると知って

教えてくれた、

FBグループ「なかまぁる」のページに、

丹野さんが

動画で紹介されていたのです。

 

 

丹野さんが認知症と診断されたのは

39歳のとき。

 

まだ、こどもさんだって小さいし、

車のトップセールスマンとして

バリバリ働いていらした

さなかのことです。

  

診断された当初は、

絶望のあまり

毎晩ふとんの中で泣いていた、という

丹野さん。

 

数年で全介護になるとか、

長生きはできないとか、

調べると

そんな情報ばかりだった頃のことですから

当然です。

 

立ち直るきっかけになったのは、

同じ若年性認知症でありながら、

元気に活動している方がある、

と知ったこと。

 

そこからの丹野さんの活動には

目覚ましいものがあります。

 

診断の翌年には、

「日本認知症ワーキンググループ」

(現・一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」)

を設立。

 

さらにその翌年から、

認知症の人自身が、不安を持つ当事者の相談を受ける

「おれんじドア」を、

お住まいの仙台市内で毎月開いているほか、

 

患者さんたちの希望の星として

全国を飛び回って講演活動をしていらっしゃいます。

 

発病から7年たついまもお元気で

講演でも、

言わなければ聴衆には

認知症とわからないほど。

 


本には、

元トップセールスマンならではの有益なアドバイスが

たくさん書かれていて、

丹野さんにぴったりのポストを用意して

仕事を続けさせてくれる会社や、

奥さまの対応も素晴らしく 

 

ニュースなどでは

悲しい話や憤りを覚える話ばかりが目立つ

この頃なのに、

 

社会ってこんなに

人間らしい、優しいあり方もできるんだなぁ


とても感動しました。

 


ひたむきな思いを持つ

人がいて


人生を

切り拓いていこうという

意思があれば、

 

かならず

その人でなくては拓けない世界が

開けていく

 

そして、

災難でしかない

と見えることが、

幸いにすらなっていく

 

そんなことが

この世には


案外

頻繁にあるようなのです。



もちろん、

はたから見るほど、楽なものではないでしょう。

 

華麗に見える活躍も

その陰には、

人知れず流す汗も、涙もあるし

悔しかったり、苦しかったりすることも

きっとあるはずです。

 

辛さも、何もかも飲み込んで

黙って支えてくれている人が

あるからこそ

のこともあるでしょう。


 

それでも、思ったのです。


どういうまなざしで世界を見るか

で、

自分に見える世界は


変えられる

と。


 

そして、

自分に見える世界


自分にとっては、すべてです。

 

 

*****

 

母は若年性ではないし

身体的な不自由もあり、

認知症も

丹野さんよりかなり進行していますが

 

人間として生きたい

生き生きと、自分らしく過ごしたい

というのは同じです。

 

できることは

自分でやらせてほしい

何もかもやってくれるのは

本当の意味での

やさしさではない

 

という

丹野さんの言葉を、


心に

深く刻みました。

 

 

おれんじドアのHP

 

丹野さんの活躍は

下記のページなどでも見られます。

 

なかまぁる(朝日新聞運営の認知症ウェブメディア)の、

丹野さんの情報コーナー

 

ヨミドクター(読売新聞の医療・健康・介護サイト)の、

丹野さんの記事を集めたページ