奇跡はけっこうしょっちゅうある2020/06/15 12:34

病院へ一日早く迎えに行ったら、

母がスタスタ歩いていた

という夢を見ました。

 

クララが立った! …みたいな奇跡。

 

そこまではいかなくても、

母だって、

家に帰ってくれば

うんと元気になるはず。

 

私には確信があります。

 

なぜかというと…

 

こんなことがあったのです。

 

まだ大学生だったずっとずっと昔、

父方の祖父を

家で看取ったことがあります。

 

祖父は、入院した時に、

失禁してしまったことが引き金となって、

あっというまに、

頭が壊れてしまいました。

 

小さな医院を畳んで上京し、

老後を過ごしていた祖父には、

かつては働く場だった

「病院」というところで

一患者として扱われる日々、

そこでの失敗が、

耐えがたかったのでしょう。

 

人は自尊心の生き物なのです。

 

 

家で世話をすることになって、

家族で唯一運転のできた私が

車で迎えに行きました。

 

祖父の目を見たとき、

恐ろしくて

体が芯から震えました。

 

何もない

虚ろな空間がそこにあったのです。

 

3日前には普通だったのに…

 

大きな体を

みんなで担ぎ上げて車椅子に乗せ、

男の人に頼んで車に乗せてもらい…

 

病院から家までは、ほんの数分です。

 

家への角を曲がったとき、

声がしました。

 

「帰ってきましたなぁ~」

 

そして。

祖父は自分の足で歩いたのです。

 

門から数段の階段を上り、

4メートルほど歩いてもう一段上がり

ドアを入ると上がり框も登って。

 

奇跡はそこまでだったのかもしれません。

その後のことはあまり覚えていないのです。

 

でもその光景は、

目に焼き付いて忘れられません。

 

 

明日は母の退院です。

今度の奇跡は一瞬で起こるか、

それとも時間をかけてじわじわくるか。

 

楽しみにしています。






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