4日(土)午後、初心者向けワークショップがあります2015/04/01 16:43


4日(土)午後1時30分より、

初心者向けのオイリュトミーワークショップ

「あいうえおいりゅとみー」 があります。

 

今月は、後半に音楽オイリュトミーがあります。

大地の気がのびのびと上へ向かう春を

心も身体ものびやかに動かして、気持ちよく味わいましょう。

 

☆日時:4月4日(土)午後1時30分から4時30分
☆場所:国分寺市立いずみホール 練習室
☆参加費:2000
☆服装:動きやすい服でどうぞ。
 フレアースカートなどでも可能です。汗をかいた時のた
 めに着替えがあると安心です。
 靴は、専用の底の薄いシューズがあるのですが、滑りにくくて
できるだけ床を感じやすいものであれば大丈夫です。

 運動の苦手な方でも大丈夫です
 初めての方も もっと深めたい方も
 お気軽にご連絡ください

  

お申込み、お問い合わせは、
メールかお電話で Lands and Skies 尾崎まで

場所や今後の予定などの詳細については、

 
ホームペー

講座・ワークショップのご案内でご覧ください。

 

 



おみおくりの作法2015/04/04 23:48

 

実は、かなり前に観た映画です。

とても印象的でしたので感想を書きたかったのですが、

いろいろなことがあり、ブログを書いている余裕がありませんでした。

もうとっくに終わってしまっているだろうと思っていたら、まだまだやっているどころか、公開9週目にして

ミニシアターランキング1位に輝いたとか。

今日から新宿でも観られるようになったというので、

今更ながらひとこと書くことにしました。

 

原題は「STILL LIFE

まさに、そうなのです。映画そのものの佇まいが。

新聞広告に

「たった1館の公開から、クチコミで感動が拡大中!」

とありました。

広まり方まで、この映画らしくて素敵です。

 

この「ジョン・メイ」氏に会えたおかげで、

なんだか、

生きるということの本当の意味が、

確認できたような気がしています。

 

たとえ誰からも評価されなくとも

人生の価値に欠けるところはないのだ、ということ。

丁寧に扱う、きちんと対する

そのことの、深い意味。

「愛する」ということのエッセンス。

 

最後のほうで息を飲みましたが、それ以外には

派手なシーンのひとつもない、本当に端正な映画です。

心の奥にそっと、けれどしっかりと入り込んで、

じっくりと温めてくれるような。

 

シネスイッチ銀座では17日まで、

新宿シネマカリテでは今日から公開だそうです。

全国各地で、ぽつりぽつりと公開中または公開予定のようです。




15日水曜日「おいしいことば」、気質のお話をします。2015/04/12 14:07

「おばあさんの知恵袋」は、

国分寺駅南口から歩いて1~2分のかわいい絵本屋さん。

そこで毎月一回、未就園児とお母さんのための、

シュタイナー教育のお話をしています。

今月は15日の11時から開催。今度の水曜日です。

 

今月のテーマ:

「こどもの心、親の心―知っておきたい気質の話」

 

この子ってどうしてこうなんだろう!

と、ため息をつきたくなることってありませんか?

どうしてこんな行動をとるのか理解できない・・・

普通はこうすると思うのに・・・

子どもの気持ちに寄り添いたいと思っても、

どうにもわからないという悩み。

それは、お子さんとお母さんとの、気質が違っているからかもしれません。

 

それぞれの気質をよく知れば、いままで

「許せない!」と思っていたことが

「あ、それでなのか!」とわかったり、

「じゃあ、こう言ってみよう」と思えたりするかもしれません。

 

こどもをテーマにしていますが、

「夫やPTAのお母さんたちとの関係にも役立ちますね!」

という声もしばしばいただく、けっこう普遍的な内容です。

 

☆日時:4月15日(木)11時から40分ほど
☆場所:絵本とかたりのみせ「おばあさんの知恵袋」

(国分寺南口徒歩2分)
☆参加費:一家族1000

お申込み、お問い合わせは、

Lands and Skies 尾崎まで

場所や今後の予定などの詳細については、
 ホームページ

講座・ワークショップのご案内でご覧ください。

 

 

シュタイナーの考え方は、人間を

そもそもの根っこから見るような感じです。

大人とはまったく違う「こどもという人間」の成り立ちを知ると、

いままで「うまくいかない!」と思っていたことが、

無理強いしようとしていたせいだったことに気付いたり、

こどもにすっと届くやり方に気付いたりして、

お母さん自身が、少し楽になったりするかもしれません。

「こうしなければならない!」というのではなく、

「ああ、こういうふうに育っていくんだから、こういうふうにしてあげるといい、ということなんだな」と自然に思えるような、

普段の生活を、ちょっと違う視点から眺めてみる感じで

お話ししています。





小林路子の「菌類画」 きのこ・イロ・イロ2015/04/19 14:29

面白そうな絵画展をみつけました。

ものすごく精密に描かれた、「きのこ」の絵です。

 

このごろ、微生物が私たちの命にとても深く関わっていることを知るようになり、

きのこをはじめとする菌類にも、興味を覚えるようになりました。

実はものすごく身近で、本当は、

彼らの存在がなければ私たちの命が成り立たないのに、

あまり意識せずに通りすぎる人が多い中、

いったん知ってしまうと、その魅力に夢中になる方も結構あるようで(と書くと、オイリュトミーと似ている・・・などと妙に共感したりもします)

小林路子さんという方も、魅入られた一人のようです。

チラシを読み、

「『きのこ』を基点に地面が転回し、『地上』と『地下』がひっくり返るという真理に、到達するかもしれない」

などと書かれてあるのを見ると、

もう、行ってみずにはいられない気になります。

4月25日には、作家による「きのこトーク」もあるそうです。

 

2015.4.45.17

武蔵野市立吉祥寺美術館にて。

入館料は100円(小学生以下、65歳以上、障がい者の方は無料)です。

 



          下の画像は、クリックすると大きくなります。

梨木香歩著『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『ピスタチオ』と『海うそ』を読みました2015/04/21 22:29


このところ、梨木香歩さんの比較的新しい著作を3冊ほどつづけて読みました。

『ピスタチオ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』と『海うそ』です。

いつも、読む本は「ばったり出会ったもの」の中から

注目している作家のものや気を引かれた内容で選んでいるのですが、

震災からこちら、それがいつ書かれたものか、ということが気になって、

戦前や、同時代の日本のものを選ぶことが多くなりました。

作家の方々が、どのように時代の空気を呼吸しながら生き、物語を紡がれたのか知りたいという、ひりひりするような思いが、どこかにあるのです。

 

 

梨木さんの小説は大好きで、ほとんど読んできています。

以前、それらが「童話」「ファンタジー」に分類されているのを見て、ちょっと違和感を覚えたことがありました。確かに、いわゆる「現実世界」では普通起こらないような描写のある作品も多いのですが、それは、人の心の真実に深く切り込もうとするときに起きることで、「こども向け」とは、どうしても思えないのです。むしろ、さまざまな人生経験を経てきたおとなだからこそ汲み取れる世界というか、こどもが読むにはちょっと背伸びが必要な、人の心の奥深い襞に隠された「傷」に触れるものだと思います。ファンタジーだからこども向け、という考え方がもしあるとすれば、それは誤解だと思うのです。何歳くらいまでを「こども」というのかにもよりますが、梨木さんの作品の場合、むしろ、十代の人にも読んでほしい『西の魔女が死んだ』などは、ファンタジーの要素が少ないものになっています。

 

でも、今回読んだ3冊はどれも、「ファンタジー」というカテゴリーには分類されずにすむのではないかと思いました。

 

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は、題名からも、また、主人公が「コペルくん」と呼ばれていることからも分かるように、『君たちはどう生きるか』を意識して書かれたもののようです(と言ってすぐにわかる方は、けっこう年齢の高い方らしいです。私は中学生くらいの時に叔父(!)からもらって読んだので知っていましたが、戦前の本です)。『僕は・・・』の主人公は14歳の男の子。『君たち・・・』と同様に「おじさん」が出てきますが、その役割はかなり違っています。タイトルの「君たちは」が「僕は、そして僕たちは」になっていることが、大きなポイントのように思います。この本も、おそらく青少年向けに書かれたものだからこそ、あくまでも「現実」を離れずに描かれています。

出版されたのは3.11直後の4月ですから、書かれたのは震災前です。「まだ大丈夫と思っているうちに、あれよあれよと取り返しのつかないことになってしまう」という(正確な言葉は忘れました)くだりが、このところの実感と重なってドッキリしました。確かにあのころ私は、「まだ大丈夫」と思っていました。

先ほど「おそらく青少年向けに書かれた」と書きましたが、本当は大人向けなのかもしれません。大人にも、というより、若い人と関わるすべての大人に読んでほしい気がします。

 

『ピスタチオ』は、「ファンタジーかどうか」という意味では、やや微妙な境界のところを行っている感じがありますが、それでも、「現実」世界を生きていても遭遇しないとも限らない範囲内に収まっています。主人公は、おそらく30代くらいの女性。2010年の10月、『僕は、そして僕たちはどう生きるか』の半年前に出版されています。私は最近、大切な友人を亡くしたばかりで、自分の中で生と死との境目がややあいまいになっている感じがするせいか、かなり共感して読めました。(『ピスタチオ』が、はっきりしていないというわけではありません。むしろ、敢えて飛び込んでいきながら足をすくわれない主人公のあり方に、現実へ根付く力の強さを感じました)

 

そして、2014年の4月に出版された『海うそ』。出版時期は、『ピスタチオ』の後、震災を挟んで『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『雪と珊瑚と』『冬虫夏草』、そして『海うそ』と続いています。今回読んだ3冊の中では唯一震災後に書かれた(と推察される)、今のところ最新刊です。

まるでルポのような文体で人々や自然を描写する、完全に「現実」世界に根差した文体で展開していきます。主人公は、『ピスタチオ』の主人公より年上(前半は同じくらいなのかもしれません)の、男性。亡くなった知人の仕事を、遺された資料をもとに足跡をたどりながら追っていくという構造が似ています。(土着のものへの踏み込み方の違いはあるものの)人の信仰心に照準が当たっているのも同じです。ただ、読後感はかなり違います。『海うそ』では、生と死との境界線はくっきりとしています。その上で生者が、強い思いを持って死者に近づこう、理解しようとしている感じがしました。私の中では、どれも大好きな梨木さんの著書のうちでも、ベストの部類に入ります。

 

今回、この3冊を続けて読んだことにも、意味があるように感じました。「自分は、いまこの時をどう生きるのか」という、このところ繰り返し噛みしめている問いに、一つの確かな光を得た思いがしています。まだ読んでいない『雪と珊瑚と』と、大好きな『家守奇譚』の続篇だという『冬虫夏草』を、いますぐ読んでみたくなっています。