HERO 22010/01/09 12:18

先日、バスで近くにすわった親子連れのお話です。

私立小学校の面接でもあったのか、幼い女の子とご両親が、いかにもそれらしいいで立ちで乗ってこられました。

その、父娘の会話です。
「○○ちゃん、
キス鳥になろうかなぁ」
「ん?なに?」
「みんなにね、キスするの。」
「え、ダメだダメだ」
「ワンちゃんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「猫ちゃんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「雲さんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「木さんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「車さんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「お花さんにもチュゥ~って」
「ダメだダメだ」
「人間にもチュゥ~って」
「ダメだダメだ。一番ダメだ!」
そこでちょうど、バスがターミナル駅に着きました。

すべてのものへの愛にあふれている幼い子どもの気持ちが、
祝福のキスとしてあらわれているのだと思うのですが、
いまから「花嫁の父」候補生であるお父さんには、
そう鷹揚には受け取れなかったようです。

どこか本気で慌てているお父さんと、
そのお父さんの愛情をおいしそうに味わっている感じのお嬢さんとの雰囲気が、
とてもほほえましかったです。