母の今年 その2―夏風邪と認知症①2019/12/29 20:08

認知症の母と暮らすようになって、気づくともう10年ほどになります。

症状は、3歩進んで2歩下がる、という感じでじわじわと進んできています。

ぐんと進むのはやはり、病気などで身体が弱った時と生活に変化があった時で、どうなるかと思うほど急激なこともあります。

それでも、健康が回復したり生活習慣を見直したりするとかなり戻り、前よりはちょっと進んだかな、というあたりまで恢復して落ち着く、というのを繰り返しています。

 

夏の暑さもこたえるらしく、

歩くのが難しくなり始めたのは昨年の夏でした。

歩くためには、けっこう複雑な頭からの指令が必要らしいのです。

そして今年の夏。

8月の終わりごろから、風邪が治ったと思ったのにぶり返すのを何度か繰り返していたら、急にがっくりと弱って、歩くのがままならなくなりました。

もともと変形性股関節症は持っているのですが、毎週治療家の方にお世話になって、今は痛みもなく、しっかり体重が載せられるようになっていますし、

3回のデイサービスでもトレーニングをしっかりしてくださるので、器質的には動くはずなのです。

それなのに歩こうとしても足が前に出ず、

前に行こうという意思はあるのでふらふらと揺れるのに

どうしても足が動かなくて、やっとのことで1~2センチ。

一歩ごとにそれを繰り返していると、

普段はさほど遠いとも思わない部屋からトイレまでの距離が、ものすごく長く感じます。

 

そしてある晩。

トイレから戻るとすぐにまた行きたくなるのを繰り返し、

両側から抱えたりおんぶして連れていったりした挙句、

出かける時に使っていた車椅子をよく拭いて家に上げ、

それで往復することにしました。

後半は少し間隔が伸びて1時間半で1回ほどに落ち着きましたが、一晩に、軽く10回以上。

 

翌日、チーム診療をしてくださる大きな病院へ駆けこんで、いろいろ検査していただきました。

心不全でも似たような症状が出ることがあると聞いたので心電図もとっていただき、血液検査はもちろん、泌尿器科系もすべて検査したけれど数値に異常なし。

肺のCTも撮って、もともと肺MAC症を持っているので影はあるけれど、大きな肺炎はおこしていなさそうだということで、念のための抗生剤をいただいて帰ってきました。

 

家を出る時は、このまま入院かもしれないと思いながらだったので、特に大きなトラブルはないという診断は、ほっとした半面、なにやら不思議でもあり。

無事に家へ帰りついたときはしみじみ嬉しく思いました。

                                (つづく)





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