[父と暮せば」映画と演劇 ― 2011/10/07 19:05
宮沢りえさんと、先日亡くなられた原田芳雄さんとは、2人とも私が好きな俳優です。 ずいぶん前になりますが、この二人が出演した映画「父と暮らせば」(井上ひさし原作)をみたときは、とても感動しました。 岩波ホールでこの映画を観おわった時、 不覚にも涙が止まらず、座席からしばらく立てなかったことを思いだします。 原爆の直撃で死亡したはずの父、竹造(原田芳雄)と、ふとしたきっかけで暮らすことになった美津江(宮沢りえ)。その二人の不思議な暮らしの物語です。 美津江は自分が一人生き残ったことへの罪悪感を持っていて、自分を慕ってくれている青年との恋もなかな成就しません。 自分だけが幸福になってはいけない、という強い思いがあるようです。 そんな娘に、何とか「生きる力」を持ってもらいたい、幸せになってもらいたい、という切なる父の思いが、幽霊として再びこの世の現れるきっかけでした。 一人生き残り、つらい思いをしながら、生きていく娘。 それをやさしく励ます父。 父と娘のこまやかの心の機微が、心を打ちます。 3.11の震災で家族や大切な人を失くした方々のなかにも、「なんで自分だけ生き残ったのか、自分も一緒に死ねばよかった」という方もおられると聞きました。自分だけ生き残ったという罪悪感。 本当につらい気持ちだと思います。 いま、戦後半世紀を隔てて、原子力という巨大な翼が私たちを覆っています。 「父と暮らせば」は、 からだにも、心にも、傷をおった多くの人たちへの哀歌のように、深くこころに響きます。 私事で恐縮ですが、知り合いのお嬢さんが出演しています。 日時:10月7日(金)~10月10日(月) 場所:中野 テアトルBONBON キャスト:美津江(鈴木翔子) 竹造(麦人) 問い合わせ・・・(株)エミー Fax 03-3467-4904 e-mail: eriko@emmyart.jp http://www.beagle.co.jp/mugihito/kouen/2011/2011oct/index.html
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。