原点回帰の一日 ― 2017/08/02 18:09
7月28日は、卒業したオイリュトミー学校の、第5期生の発表会でした。
3学年一学期、初めてシュライヤーをつけての発表です。
朝のクラスは朝に、夜のクラスは夜に、
それぞれ3時間ずつ。
以前は近くに住んでいたので、徒歩や自転車で簡単に往復できましたが、いまは片道一時間近くかかります。
早起きして家事をすませ、午後一旦戻って夕飯を作り、
さまざまなやりくり算段をして、両方ともみてきました。
発表は素晴らしかったです。
シュライヤーを付け始めたばかりとはとても思えない堂々とした姿を見て、
自分たちの時には、なんだかシュライヤーが可哀想だったな、と、懐かしいような可笑しいような。
あの、特別な空間で過ごした特別な日々が原点となって、
今の自分があります。
そのことの有難さを、思い出させてもらいました。
心だったり身体だったり毎日どこかが痛くて、
でもとても幸せだった日々。
たとえどんな時でも、オイリュトミーのこととなると、
とたんに身体の底から力が湧いてくるような、あの感じ。
全身全霊で言葉や音楽の世界に浸りきる姿を目の当たりにし、身体を通してその世界がこちらへ流れてくる感覚に触れることもできて、
もっともっと、どこまでも深くオイリュトミーが知りたい
と思いました。
ときどき原点に戻れる機会があるのは、
ありがたいことです。
当時からの仲間たちに何人か会えたのも嬉しかったし、
何よりも、その場所に脈々と流れる「今」を感じ、素晴らしいと思えたことが、大きな喜びでした。
虫は嫌いだったのですが ― 2017/08/17 10:28
生物多様性ガイド養成講座にも、
公演が終わって復帰してからは順調に通っています。
山は素敵ですしメンバーが魅力的な人ばかりで、
とても楽しいです。
…が、ひとつだけ、ちょっと困ったことがあります。
いま、山は虫の王国。
何しろ「生物」多様性ですので、
当然ながら虫も観察対象に入っているのです。
都会育ちの私は、虫が大の苦手です。
山を歩いているとメンバーの誰かが目ざとく虫を見つけ、
「無視して先へ行きたい!」と叫ぶ私の心をよそに、
ルーペまで持ち出しての観察が始まります。
「触角がゴージャス!」(唖然とするほど見事な幾何学模様の触角を持つ蛾がいたりします)
「この派手な模様!」(どう見てもおどろおどろしいと思うのですが、すごい柄の芋虫がたくさんいるのです!)
などと喜んでいる仲間をよそに一人顔をしかめ、
一応記録のため、おざなりに一、二枚だけ写真を撮るのですが…
先日、洗濯ものを干していたら、
ベランダで面白い柄の虫を発見してしまいました。
小さかったのであまり怖くなかったのと、柄がなんだか面白かったので、
こともあろうに、名前が知りたいと思ってしまいました。
写真がうまく撮れなくてボケボケだったのですが、
講座のメーリス(?)にアップすると、先輩や講師から、これではないか、というアドバイスをいただきました。
図鑑やネットの写真は、写真の撮れ方や個体差で、色や雰囲気がかなり違います。
実際に見たときの印象と写真との違いもあったりして、それぞれ検索したもののなんとなくピンと来ず、さらに調べてみました。
なぜ私が、よりにもよってこんなことをしているのだろう…と思いながら(しかもときどき鳥肌を立てながら!)虫の写真をたくさんみて、ようやく、
これに間違いない!という写真を見つけてすっきり。
違うものもさんざんさがした挙句、たどりついた結論はやっぱり、最初にアドバイスをいただいたとおりでした。私のあんなボケボケ写真でわかるなんて、さすがです。
翌々日。
やはりベランダの、今度は柵に、唐突に小枝のようなものがくっついていました。
「擬態だな」と思って調べると、比較的すぐに見つかりました。せっかく小枝のふりをしているのにスチールの柵にとまるなんて、間抜けぶりが可愛くて他人(他虫?)とは思えませんが、目立ちすぎるし、もし本当に小枝だと思ってしまったら何も考えずにぎゅっと拭きとって、
殺してしまったかもしれません。
擬態のせいで、逆に危険になってしまうわけです。
ちゃんと自分を知って、居る場所を選ぶべきですね。
…って、なんだか、深い(笑)。
さらにその翌日。また別の柄のカメムシを見つけました。
背中にハートをしょっていて、私が見てもちょっと可愛いです。今度は、先日いろいろ調べたときに見た記憶があるので、だいたい見当がつきました。
調べる場所もわかっているのですぐ出てきました。(ちょっと自慢していますね)
嬉しかったのは、ベランダから庭を見下ろして見つけた「ヤブガラシ」。ちょうど先日教わったばかりです。
山茶花の木に巻き登り、上の方の日が当たるところを占拠して、花を咲かせていました。
さすが「藪枯らし」と呼ばれているだけあります。
でも、ごく小さなオレンジの花が可愛らしく、先端をなめるとほんのり甘いのです。
蜜を集める小さな虫たちには大切なレストランです。
写真を撮ったら、ここにも虫がいました。
…というように、落ちこぼれ受講生の私も、確実に変化はしてきています。
何よりも、植物や昆虫など、自分たちとまったく違う生き方をしている者たちのことを知ることで、
視野がずいぶん広がりました。
世界は生き物によって、空間的にも時間的にも、
とても多重なあり方をしているようなのです。
もしかしたら同じ人間同士でも、
人によって見ている世界はかなり違うのかもしれない…
などと、このごろふと思ったりもしています。
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