シェーナウの想い(A)2014/08/17 12:19

映画「シェーナウの想い」を観ました。

もう3年近く、観たいと思ってきた映画です。

 

ドイツの端、フランスとの国境に近い、

シェーナウという小さな町。

人口2500人ほどの、自然豊かな美しいところです。

チェルノブイリの事故で原発の恐ろしさに気付いた

ごく普通の住民が、自分たちの力で

市の、大電力会社との契約延長を住民投票で食い止め、

太陽光発電や自家発電装置からのエネルギーを買い取る電力会社を創り、

その会社と市との契約を、住民投票を経て勝ち取り、

多額の寄付を募って送電網を買い取り、

ついに、

原発で発電した電力を使わずにすむ暮らしを創り上げたことで、静かな田舎町が一躍有名になりました。

彼らの電力会社は発展をつづけ、顧客も増え続けているそうです。

 

美しい町でした。

素敵な人々でした。

そして、明るく、文化的で、創造的な、

運動の進め方でした。

もちろん、生半可な姿勢ではできないことですが、

運動自体が、有機的・人間的で、

そのために、関わっている人々が

運動で消耗するのではなく、

信じられないくらいの豊かなエネルギーを、

自ら生み出し続けながら進んでいるように感じました。

 

原発に対しても、

No をいう、という方向ではなく、

自分たちの望むもの、希望に対して、

Yes をいう、というやりかた。

 

求めていたのはこれだ、と思いました。

 

3.11以降、

「何もしなかったためにこんな事故が起こってしまった、

何かをしたい、しなければ」と思いつめながら

何をしようとしても、

どこかが違うという思いを捨てられませんでした。

でも、こういう方向ならばできる。

 

人は、

どこかで発電した電気をエネルギー源にして

生きているわけではありません。

世界を動かしている一番大きなエネルギーは、

人が

希望や目標、仲間たちとの交流によって

みずから生み出す生命の力、活力なのです。





コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック