「蝶たちのコロナ」東京公演&ワークショップが終了しました2013/09/28 23:22

もう先週になってしまいましたが、
『蝶たちのコロナ』の東京公演が終わりました。

今回は、10日からの3日間の講演会に始まって、
2日間のオイリュトミー公演、
そして
5回にわたる関連ワークショップと、
大変充実した企画でした。


3日間の講演会はどの日もとても素晴らしい内容で、

胸の中がほっと温かくなったり熱くなったり、

宝石のような、とても大切なものを
受け取ったような思いがしました。

 

そして2日間のオイリュトミー公演。

今回の公演の稽古では、

短い言葉に凝縮された大きくて深い内容を、

オイリュトミーで具体的に顕現させる

シュタイナーの言葉をこの世に受肉させる

という目的のため、

経験したことのなかったような複雑な動きや
深い力の使い方が要求され、

自分の限界をどこまでも押し広げていくような
努力が必要でした。

しかも、その世界をビジュアル的にも実現するために
衣装の超早替えがとても多く、

衣装での通し稽古を何度も繰り返して本番に臨みました。

 

あらゆる意味で、ミスの許されない、

とても緊張する場面が多かった公演なのですが、

2日間の本番では、そこに繰り広げられる世界が、

自分の中で深まり、広がって行くのを感じるような

どこか広い世界に解き放たれて自由になるような瞬間を体験しました。

 

そして、公演翌日からの3日間と、2日おいて木曜日の午後から夜にわたって行われた、全5回のワークショップ。

私は、自分が担当した3日目以外はすべて受付をやらせていただいたので、5回通して体験することができました。

それぞれがとてもその人らしいワークショップで、

素晴らしい参加者にめぐまれたこともあって、

オイリュトミーの素晴らしさをみんなで確認し合うような、とても幸せな時間が持てました。

 

講師を務めた5人はみな、
期は違っても同じ師に教わっているのですが、

その人の興味の方向によって同じことにでも光の当て方が違っていて、それがとても面白かったです。

お陰で、基本的な動きの本質が、

立体的に立ち上がってきた感じもしました。

ああ、こういうアプローチも可能なのか、と、

無意識に自分を縛っていたものが解けたような気がして、

これから、自分のワークショップも、

今までよりもっと自由に楽しめるような、

ちょっとわくわくする気持ちでいます。

 

11月8日には、名古屋公演があります。

今度はどんな世界が垣間見えるのか、今から楽しみです。





「蝶たちのコロナ」関連イベント 講演会は本日からです2013/09/10 16:15

本日から、三日間の講演会
「社会 自然 身体」が始まります。

場所はいずれも、JR中央線・武蔵野線の西国分寺駅前にある、国分寺市立いずみホール。

午後7時30分の開演です。

 

初日の今日は、笠井叡の「皮膚の外に広がる身体」

明日は志村ふくみさんの「復活する自然」

明後日は高橋巌さんの
「いま、社会はどのように変容するのか」です。

 

志村さんはわざわざ京都からいらして下さいました。

日本にシュタイナーの人智学を紹介してこられたお三方。

こんなに近くで毎日お話が聴けるなんて、夢のようです。

 

ご予約なしでいらっしゃれます。

どうぞお越しください!

 

 

             司会を、夫が仰せつかりました。
         オイリュトミーや朗誦とは、だいぶ勝手が違うようです。


「蝶たちのコロナ」へ向けて2013/08/24 11:48

9月に行われるオイリュトミー公演「蝶たちのコロナ」では、言葉のオイリュトミーで

「ルドルフ・シュタイナー 遺された黒板絵」(筑摩書房)から選んだ20編の言葉をテキストとしています。

宇宙や自然、人間について、

短い言葉のなかに本質的なことが凝縮されているので

その世界観を十全に伝える作品づくりをしたいと、

公演が決まった時点からずっと、

シュタイナーの文献を読み返しています。

 

公演では非常に広範囲の内容を扱っていますので、

基本文献をはじめ、さまざまな本を読まなければならず、

時間がずいぶんかかっているのですが、

今回初めて読んだものはもちろん、
以前に何度か読んでいるものも、

全体の関わりの中で新たな発見があったり、

以前は気付いていなかったことが分かったりして、
刺激に満ちています。

 

いま、この変化の時代に、

目の前の危機に心が騒ぐことも多い日々を過ごしています。

でも、原点に戻ることで、少しずつではありますが、

視野が広がり覚悟が定まってきたようにも感じます。

 

…とはいえ、

たくさんのものを学んでも、

たどりつくのはやはり

ただ一つのごくシンプルな思いであったりもします。

いまはただ、

それをはなさず、大切にしていきたいと思っています。


※公演の詳細は、HPや以前のブログでご紹介しています



オイリュトミー公演「蝶たちのコロナ」に出演します2013/08/04 21:34

ホームページではご案内していましたが、

919日(木)と20日(金)の二日間、

西国分寺駅前の国分寺市立いずみホールで行われます
オイリュトミー公演

「蝶たちのコロナ」に出演します。

 

シュタイナーの講義録から宇宙や人間の本質が凝縮したような一節を切り取り、講義の際に描かれた絵とともに一冊にした美しい本「黒板絵」。

その中から選りすぐられた20編と、美しい音楽で綴った
オイリュトミー公演です。

出演するのは、師、笠井叡と、私たちを含む10名のオイリュトミストたち。

稽古していてもワクワクするような内容です。

 

今回は、公演に先立つ10日から12日までの三日間、

高橋巌さん、志村ふくみさん、それに笠井叡と、

日本に人智学を伝えた重鎮の講演会が行われます。

オイリュトミー公演の内容とも関わった深いお話が聴ける、素晴らしい機会です。

 

さらに、公演の翌日から5回にわたって行われる
ワークショップで、
テキストの一部を実際に体験していただけます。

講師は、出演者の女性オイリュトミストたち。

私は、3日目の23日(月・祝)に「結晶」というテキストを担当します。

 

宇宙と人間との関わりについて

講演会で深く学び、オイリュトミーを味わい、
体験もできる

またとない企画となっています。

ぜひお運びください。

 

オイリュトミー公演の詳細はこちらでご覧ください
講演会とワークショップの情報はこちらです


チケットは私たちの所でもお求めいただけます。どうぞお申し付けください。

 

なお、オイリュトミー公演は、

118日に名古屋の愛知芸術劇場でも行います。

こちらへもぜひお越しください。


「蝶たちのコロナ」チラシ

       本当は、もっとずっと大きなチラシです。ごく一部分だけですが・・・

ハヤサスラヒメから黄道十二宮へ2012/12/13 23:11

ハヤサスラヒメの楽日から、
もう
10日以上もたってしまいました。

終わった直後は、あまりにいろいろな思いが激しく渦巻いてしまってうまく言葉になりませんでしたが、いま思い返すと、なんだか夢のようにも思えて、やはりうまく言葉になりそうもありません。でも、このままにしておくのはもったいないので、少し書いてみようと思います。

 

まず浮かぶ思いは、

あれほどの
巨大なエネルギーが渦巻く現場にいられたこと、

その一分子として存在できたことへの感謝です。

あれは、

ほとんど奇跡のような舞台だったのではないでしょうか。

 

オイリュトミーの部分は、

冒頭の1シーンを除くと第4楽章だけだったのですが、

動き自体が大変速くて難しく、しかも群舞でしたので、

24人ものオイリュトミストが
一つにならなければなりません。

ひとりひとりが、個我を離れ、
もっと大きな自我によってしっかりと立つこと、

それができなければ、成り立たない舞台でした。

 

私たちもそうでしたが、

稽古期間中に他の公演の本番を迎えたメンバーも、
何人もいます。

納得のいく動きができるまで、

思いは、もっともっと稽古をしたいと走りますが、

物理的な条件には限りがありますし、
肉体は悲鳴を上げます。

より強いものにしていけるのかやり過ぎで壊れるのか、
常にそのあわいを読み、

ひとりひとりがそれぞれに、

ぎりぎりのところでバランスを取り続ける日々でもありました。

そのような中で、

個々がその人らしい心づかいや懐の深さを発揮して、

最後までみんなが前向きに力を結集できたことが

何よりも、得難い経験だったと思います。

 

 

いま、「黄道十二宮」の本番を一週間後に控え、

稽古が追いこみの時期を迎えています。

先日来日されたウタ・ディートリクセンさんの

きめ細やかなご助言もいただいて、

稽古の度に、より深く、
黄道十二宮の世界に入っていく感じがしています。

 

ハヤサスラヒメが「動」の極みだったとすれば、
十二宮は「静」の極みとも言えると思うのですが、

その両方を続けて体験できたことは、

とても意義深いと思っています。

 

ハヤサスラヒメの宇宙と、黄道十二宮の宇宙。

オイリュトミー100周年の今年にふさわしい、

充実した一年の締めくくりになりそうです。

 

 


             ハヤサスラヒメで流れていたのは、
        このフルトヴェングラー指揮の第九交響曲でした。