えっ! そういう展開!?2020/06/21 17:51

一昨日は一瞬、

修羅場を覚悟しました。

 

以前みた、

「ぼけますから、よろしくお願いします」

という映画でも、

最初にヘルパーさんがいらしたときに

かなりの抵抗があった様子が描かれていました。

お年寄りにとって、

「ひと様」のお世話になるのは、

よほど大変なことのようなのです。

 

一昨日の夕方は、

ヘルパーさんが来てくれて

2回目のシャワー浴でした。

1回目は担当者会議の時でしたから、

実質的には初めてのようなものです。

 

2時ごろ、RIONから帰ってきた母に、

3時からヘルパーさんがいらして

シャワーを浴びさせてくれるからね」

 というと、

 「とんでもない! お風呂なんか一人で入るわよ!」

 強い拒否の姿勢。

 

 喉元まで出かかった、

そんなことできっこないでしょう!

という言葉を、ぐっと飲み込みます。

 

困った…

これは大変なことになるな…

 

そして3時。

ヘルパーさんが来ました。

 

ドアが開くと、

「お帰りぃ~

 

ん?

なにか勘違いしている?

 

ヘルパーさんを、

妹だと思っている様子です。

 

それでも、

さすがに顔を見れば気づくだろう

と思ったのですが。

 

「疲れたでしょう。お帰り」

 

 

さすがヘルパーさん、

機転も利くし、演技派です。

「じゃあ、私と一緒にシャワーを浴びようよ♪」

なんて言ってくれて。

 

母は、

いそいそとシャワーを浴びました。

 

自分が終わると、

「あなた、頭も顔も、ちゃんとお洗い」

いつもの大阪弁で言っています。

母は大阪の出身なのです。

 

ヘルパーさんは、

「あ、ばれたかぁ。

お母さん先にちゃんとお洋服着ちゃって。

  そしたら洗うよ」

 と母に服を着させて部屋まで連れていき、

私が母にドライヤーをかけている間に着替えて、

タオルで頭をふきふき入ってきました。

「あ~いいお湯だった」

「ちゃんと入った?よかった」

母にっこり。

 

脱帽です。

 

それにしても…

 本当に、そんなことを思い込むものでしょうか。

 だって、ちっとも似ていないのです。

 いぶかしがっている私をよそに、

 「じゃあ、帰るね。また今度」

 と言うヘルパーさんの手を握り、

 母は

 「あらぁ、さみしいねぇ」

 なんて言っています。

 

 一緒に住んでいる妹が、

 どこかへ帰るはずなんかないのに。

 

夜、本物の妹が帰ってきて

「今日、シャワー浴びたんでしょ?」

というと、母は

「うん。昨日ね」

と澄ましていました。

今帰ってきたばかりの妹と

シャワーが浴びられるわけがないので

昨日のことにしたようです。

 

それでもやっぱり、

娘と一緒のお風呂が嬉しかったのでしょう。

そのあともずっとご機嫌でした。

 

認知症も、

時には粋なことをしてくれるものです。





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