『ユキ・パリス 幸せをよぶ手仕事』発売 ― 2018/09/04 16:53
その展示会に連動して出版されたこの本ですが、単なる図版本ではありません。数々の品をご紹介する美しい写真とともに、手仕事から見えてくる心豊かな暮らしとユキさんご自身のライフスタイルも紹介され、読み物としても楽しめるものになっています。
掲載されているものの中には、王侯貴族が使った華麗な装身具もあれば5歳の子どもがひたむきに作った刺繍作品もあり、どれも、ユキさん独自の視点で選び抜かれた「心ある物」たちです。またこの本自体も、手間暇を惜しまず、心をこめて作られています。
繊細な手仕事にうっとりしながら眺めるのもいいし、レースの布から透けて見えてくるヨーロッパの歴史に思いを馳せることもできれば、非常に魅力的な「人」のあり方も浮かんできます。
喜びって何だろう、幸せって、豊かさって・・・? いろいろな思いを投げかけてくれる本ではないかと思います。
扱っているものの持つ力に見合った、妥協の許されない本づくりの日々は、大変でもありましたが、ユキさんという稀有な方の魅力にじかに触れ、夢のようなコレクションの数々にも接することができて、とても心豊かな時を過ごしました。
ユキさんの思いや考え方、生き方が詰まった、
宝物のような本です。
全国の書店でお求めいただけます。
また、本当に素晴らしい「心ある物」たちが
一堂に会した展示会です。
どちらも、ぜひご覧になってください。
広い場所でのワークショップもスタートです ― 2018/09/04 20:44
稽古場のある家に住むようになってから、もう3年が経ちました。小さなスペースですが、いつでも稽古できるので助かります。
作ったフォルムを動いてみたいとき、たとえ夜中でもすぐに試せるし、すきま時間に稽古できるのが本当にありがたいときもあり、ここがなかったらできなかっただろうと思うパフォーマンスがいくつもあります。
また、個人で教わりたいと言って下さる方もあって、
そういうニーズに柔軟に対応できるのも利点の一つです。
現在はグループでのワークショップも家でやっていて、
小さな空間なので人数が限られてしまうのですが、だからこその細やかさでその方その方に対応したやり方ができ、
ここに来てから、ワークショップ中の充実感や終わった後の達成感が以前より上がっている感じがします。
参加者のみなさんの動きや表情がどんどん変わっていくのは見事なもので、何度見ても感動的ですし、終わった時の、「はぁ~楽しかった!」とか「気持ちよかったぁ~」などという声を聞くと、冥利に尽きる感じがします。
というわけでプライベートなスペースがけっこう気に入っているのですが、思いっきり動く大きなフォルムや、大勢だからこそ味わえる力の流れもありますので、そろそろ、
広い場所でのワークショップも並行して始めたいな、と思っていたら、天井が高く、大きな窓から緑が見えて気持ちのいい、明るい体育室がみつかりました。
いまの、一人一人の方と大切に出会うかけがえのなさを失わないまま、
ダイナミックな動きも群舞の良さも味わえる
新しい境地が拓いていけたらと思っています。
というわけで、ご案内です。
初心者オイリュトミーワークショップ in 高尾
9月29日(土)10:00~12:00
受講者に合わせてきめ細かくご指導いたしますので、
まったく初めての方、運動が苦手の方でも大丈夫です。
場所:JR中央線・京王高尾線「高尾駅」北口より徒歩5分
※詳細はこちらをご覧ください
ピッカピカの新学期 ― 2018/09/12 18:15
昨日は自主学校「遊」で、
2学期初めてのオイリュトミーの授業をしてきました。
こどもたちの背が伸びていました!
こどもって本当にぐんぐん成長するのだと、
当たり前のことですがびっくりします。
伸びてゆく人たちと一緒にいるって、素敵なことです。
(こちらも、中身だけは成長しなくちゃ!)
ちょっぴり太めだった子もしゅっとしまって上に伸び、
精悍な顔つき。
いい夏を過ごしたらしい感じが伝わって、
なんだか嬉しくなってきます。
2学期から会場が変わって今までより長時間使えるので、
クラスを細やかに分けられるようになりました。
編成を工夫してかなり変え、上級生になって編入してきたこどもたち用に補習クラスも作りました。
こどもたちは成長の度合いによって雰囲気がぐっと変わるので、みんなそれぞれ、その時期に見合った内容にしてあげたいのです。
昨日、初めてそのクラス分けで試してみました。
一部手直しをすれば、とてもいい感じになりそう。
スタートの首尾は上々です。
そして。
最上級クラスの言葉のオイリュトミーには、まったく新しい試みを考えています。
昨日は音楽オイリュトミーだったので、次回が初めて。
かなり楽しみです。
そのために、夏休み中に本を読みまくりました。
どの本もみんな面白くて、いい「読書の夏」にはなりましたが、テキストに選ぶにはちょっと違う…
9月に入ってやっと、これだ!と思うものが見つかって、
またまた図書館へ行き、借りていた5冊を返して、
いろんな訳のものと資料も含め、
15冊予約していた中から9冊を選んで借りてきました。
これで大丈夫! 準備は万端です。
さあ、今学期はどう展開していくのでしょう。
わくわくドキドキのスタートです。
「ユキ・パリス 幸せをよぶ手仕事」展 ― 2018/09/14 22:11
入ってすぐのところにはサンプラーが、それから教習布が展示されていて、ほとんどは生徒さんたちが刺しゅうしたものなのですが、そのレベルからしてもう、息を飲むほど。一つ一つの目が緻密ですし、かけつぎなどは、この細かい布目を全部針と糸で作りだしたなんて、とても信じられません。どういうものなのかをあらかじめ聞いて知っていても信じられないくらいですから、知らなければ、単に布を切り取って縫いつけたのだろうと思ってしまうでしょう。そのせいか、あまりじっくり見ないで通り過ぎる方もあって、「もったいない!」と、思わず呼び止めたくなってしまいました。
見る方にも、ある程度の知識と想像力が必要です。何もかも機械でできてしまう現代人には、たとえば針の一本一本まですべてが手作りだった時代のことなど、どうしても想像しきれないところがあります。それを、どこまでありありと思い描けるかで、感動の度合いが違ってくるのではないかと思います。
山で植物を観察するとき、ルーペで見ると、世界が全然違って見えて感動することがあります。肉眼では見えない細かいところがものすごく緻密な構造になっていて、どこまでも繊細に、完ぺきに美しく作られているのを見ると、すぐ隣に、自分には知りえないこんなに豊かな別世界が広がっているのかと、異次元を垣間見たような、ある意味厳粛な、不思議な思いに打たれるのです。そこは、小さな生き物たちのための別天地です。
母の遠足―高尾のデイサービスRION ― 2018/09/18 11:22
今日は母が、お世話になっているデイサービスで
高尾山へ遠足に連れて行って頂いています。
昨夕、「明日は予定通り高尾山に登ります」と持ち物などの確認メールが入り、水筒がいることを忘れていたのでひと騒ぎ。「いつものミニバッグじゃ水筒が入らないわね!うわあ、この赤いのがちょうどいいけど、赤すぎるって文句言わないかなぁ? お水にする?お茶にする?」…
いきなり飲んでやけどしないように、母より一足先に会社へ出かける妹がお茶を器に入れておいてくれ、少しだけ冷めたところで水筒に移す…などなど、朝の手筈まで、妹とばっちり相談し。
今朝、いつものようにお迎えの車が来て、母はにこにこ出かけていきました。心配していた赤いバッグも、すんなり持っていってくれたので一安心。
自分が行くわけでもないのに私まで、
送り出してからもずっと、なぜかウキウキしています。
お世話になっているデイサービスは、RION(リオン)さんといいます(ページの左下にもリンクがはってあります)。大切に思うものがぴったり合って、ここと出会うために高尾へ引っ越したのかしら? と思うほど。
健康の基本は食べ物から! というのが基本姿勢で、お昼もおやつも、健康に留意して考えられた献立を経営者さんみずから手作りして下さって、とてもおいしいのです。
なにしろ経営者さんは、あの震災まで、福島で天然酵母のパン屋さんを営んでいたという方。
原発事故で一時は家族バラバラに避難されたそうですが、理学療法士さんである奥様の、「リハビリをしっかりやって、お年寄りの生活の質を高められるようなデイサービスがやりたい!」という夢をかなえるべく、縁あっていらした高尾でデイサービスを始められたのが、うちが越してくる少し前のことだそうなのです。
リハビリの運動は、自転車こぎ以外は完全に人間の手で行います。一人一人の様子をみて、まず痛みなどを取る必要があれば、生姜シップや里芋パスタ―、こんにゃくシップなどの自然療法で手当てをし、それから、それぞれにあった負荷をかけるなどしての運動で、筋力などのトレーニングを行います。
母は、変形性股関節症で病院から手術を奨められましたが、本人がどうしてもいやだというので手術はせずにいます。RIONさんにお世話になる前は、痛いので動かしたがらないため脚もどんどん弱って、いつ何時転ぶかわからないような状態だったのが、痛みのケアに毎回里芋パスターなどで手当てしていただいて、筋トレのおかげでしっかり立てるようになりました。あれから3年、ゆっくりながら今も自分の脚で歩けているのは、RIONさんのおかげです。毎回足湯をしてくださるのも、全身の血行がよくなるのでとても嬉しいのです。
もう一つ、RIONさんがとてもいいと思うのは、お年寄りに対して自然な敬意を持って接してくださることです。
どこのデイサービスでも、毎回いろんなアクティビティがあると思うのですが、それが子供だましのようなものだったり、言葉遣いも、幼児に対するような物言いがよくされるようで、かねがね不快に思っていました。いくら様々な機能が衰えてきているとはいえ、立派に一生を生きてこられたお年寄りを幼児のように扱うのは、あまりにも失礼だと思うのです。
でもRIONさんでは、言葉遣いもごく自然にやわらかくて温かな敬語が使われていて、とても感じがいいですし、母の持ち帰る、その日の活動で作った物をみても、工夫のある折り紙や貼り絵、書道、絵手紙、パステルアートなど、大人が楽しめるものに取り組ませて頂いているようです。
母を見ていると、自尊感情がどれほど体調や様々な状態に大きな影響を与えるかが、よくわかります。敬意を持って接していただいたり、アートレベルのものが制作できたりすることで、幸せな気持ちになれるのはもちろん、他の状態も、おそらく大きく改善されていると思うのです。
全体に穏やかな空気が流れているせいか、利用者さんも皆さんやさしい方々ばかりで、母は、本当にRIONさんへ行くのを楽しんでおり、生き甲斐になっています。
紅葉の頃にはバスでの小旅行も計画されているようです。
この出会いを本当にありがたく、嬉しく思っています。
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