「Tomorrow パーマネントライフを探して」を観て ― 2017/01/13 18:32
先日、高尾の「いまここカフェ」で、
異色の民俗学者、宮本常一についての話を聴いてきました。講師の坂田さんは、昨年末にメキシコで開催された、生物多様性の国際会議から戻って来られたばかり。そのホットなお話も交えながらの講座でした。
たくさんのことをお話しいただきましたが、
中でも印象に残ったものの一つに、
「『世界を良くしなければ』と、はるか遠くを見ながら言う人が多いけれど、ごく身近な、自分の周囲を見ずに、
身近にあるものを打ち捨て、犠牲にして良くなる『世界』なんてない」
ということがありました。
「Tomorrow パーマネントライフを探して」を観て感じたのも、まさにそのことでした。
2012年、「ネイチャー」誌に21人の科学者たちが発表した、「今のライフスタイルを続けていけば、遠くない将来に人類は滅亡する」という内容の論文をきっかけに、
滅亡へ向かわないために自分たちが何をできるのか、
それを探してさまざまな活動を取材したドキュメンタリーです。
取り上げられている「解決法」はどれも、自分たちの周りで、具体的に暮らしを改善するために動いている人たちの例でした。
大規模な農業、大企業中心の政治や経済といった社会の仕組みに巻き込まれないこと、
自分の周囲に、ローカルな、地域で生きていける環境を作り上げること。
さまざまな活動や情報がテンポよくどんどん紹介されるので、観ながらゆっくりじっくり考えるヒマはありません。
ある程度知っていることが多かったのでなんとかついていけましたが、全部が初めてのことだったら、途中でオーバーフローをおこしていたかも知れません。
いくつものセクションに分かれていたので、
例えば、セクションごとに詳しい人の解説付きでみるとか、みんなで話し合うとか、
そういう形での鑑賞会があればいいな、と思いました。
地域の人々と、自分たちには何ができるか、
話し合いながら観たい映画です。
映画の公式HPはこちらです。
http://www.cetera.co.jp/tomorrow/
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