10月のワークショップ2016/10/05 12:20

今月開催予定の

高尾でのオイリュトミーワークショップについて

お知らせです。

10月は15日(土)と29日(土)を予定しています。

午前中が初心者、午後が経験者向けとなっています。

 

☆日時:10月15日(土)・29日(土)

         初心者 10:00~12:00

         経験者 13:30~16:00

☆場所:高尾会場(高尾駅より徒歩7分)
☆参加費:初心者クラス 2500円   経験者クラス 3500円
☆服装:汗をかきますので着替えをお持ちください。
 動きやすい服なら、フレアスカートなどでも可能です。

靴は、上履きをご用意ください。

(外履きの靴で出入りする場所で履いたことのないもの)

専用のオイリュトミーシューズでなくても、

滑りにくくて底の薄い、

できるだけ床を感じやすいものであれば大丈夫です。

固めの木の床でも足が大丈夫な方なら、シューズなしで

厚めの靴下などでも可能です。

 初心者クラスは、

踊るなんてとんでもない!という方でも  

 運動の苦手な方でも大丈夫です
 お気軽にご連絡ください

 経験者クラスは、

 何度かワークショップなどを経験したことがある方 

 が対象ですが、基礎から丁寧にご説明しますので、

 知識はなくても大丈夫です。

  

お申込み、お問い合わせは、
メールかお電話で Lands and Skies 尾崎まで

 

詳細は ホームページ

講座・ワークショップのご案内をご覧ください。




             帰り道に川沿いのお散歩も楽しいです

シーモアさんという音楽2016/10/10 18:15

「シーモアさんと、大人のための人生入門」

http://www.uplink.co.jp/seymour/

という映画を観てきました。

素晴らしい演奏家でありながら、50歳のときに(絶賛されていながら)演奏活動をやめ、以後ずっと(映画の時点で37年、そして今も)教師に徹しているピアニスト、

シーモア・バーンスタインさんのドキュメンタリーです。

 

まず、彼の演奏が、すごい。

心の襞の奥深くに隠れているものたちが、やさしく引き出されて愛撫してもらえるような、

あるべきものが、あるべきように存在させてもらっているような。

そして、彼の語る声と言葉が、非常に心地よくしみ入ってきます。

彼の教え子たちはもともとかなりレベルの高い人々なのですが、

アドバイスを受けて、演奏が見事に変わるのも壮観です。

 

もう一つ、なぜか強く感じたのは、人々の声の印象でした。

シーモアさんは、ある意味で恐ろしい人です。

ゆるぎなくどっしりといる彼の前にでると、

人はみな、自分の周りにまとっているものをあぶりだされてしまうようなのでした。

彼と何を語りあったか、ということよりも、

どんな声で語ったか、ということによって、

よりはっきりと。

 

サティシュ・クマールさんのドキュメンタリーを観たとき、印象的だったものの一つに、

大切なのは、何を「する」か(Doing)ではなくて

どう「ある」か(Being)

という言葉がありました。

頭ではわかっているつもりだったそのことを、

はっきりと 見せてもらった気がしました。

 

シーモアさんは、「自分の存在を、自分の音楽と一致させたいのだ」と言っています。

だから彼は、演奏が思うようにいかなかったときは4時間だった練習時間を8時間にしたそうです。

でも、練習にあまり時間を取られると自分自身の創作に割く時間がなくなってしまうので、演奏活動をやめたのだそうです。そして、創作をすることで、他の作曲家の作品を演奏することも以前より良くできるようになった、と語っていました。

そんなシーモアさんを見ていると、

何かを精一杯、全身全霊で「する」ことでしか「ある」ことのできない自分

というものがあるのだな、と思えてきました。

自分自身であるために、

シーモアさんにとっては、一人きりの、静かな暮らしが必要だったし、

演奏活動を通してではない形で音楽とかかわることが必要だった、

ということのようでした。

 

音楽のオイリュトミーをするとき

その音楽をどこまでも聴きとろうとするのですが、

その時に大切なのが、「無音」です。

音の中にある無音が聴けないと、本当にはその音楽が聞こえてきません。

彼の声がとても心地よく、深く心に入ってくるのは、

言葉が、とてもゆっくりと丁寧に語られるということもあると思いますが、

ひょっとしたら、

音楽の中にある、その「静けさ」が、

彼の声や、彼のあり方の中にまで浸透しているせいかもしれません。

彼はやはり、音楽になってしまった人なのです。

 

そして彼は、

曲の中の一つ一つの音符を奏でるときと同じように、

他人を受け止め、響かせます。

真摯に、誠実に。

生徒たちの演奏が劇的に変わるのも、

このドキュメンタリーを録った俳優のイーサン・ホークが救いを感じたのも、

きっとそのためだったのでしょう。

 

すごい人と出会ってしまいました。

 

 

 

 

 

*タイトルについて

原題は”Seymour: An Introduction”です。おそらく、サリンジャーの「Raise High the Roof Beam, Carpenters, and Seymour: An Introduction Stories大工よ、屋根の梁を高く上げよ―シーモア・序章」から取ったのでしょう。私も映画を観る前はそうでしたが、確かに、シーモアと聞けばシーモア・グラスを連想するファンは多いでしょう。それだけに、わざわざそんなタイトルにしなくてもと思いました。二人はあまりにも違います。ただ、「細やかな感受性を持ち、誠実、叡智があって、一つのことを深く追及している愛らしい変わり者」というふうに特徴を言葉にしてみると、共通だという考えも成り立つかもしれないのですが。 

それを別にして言葉の意味そのものだけを考えると、このAn Introductionは、いろんな意味を含んでいて、なかなかいい感じもします。そのニュアンスを日本語にするのは難しかったのでしょうか、日本語タイトルは、かなり残念な感じです)

 





素敵な夜遊び2016/10/16 14:59

昨日、一昨日と二晩続けて、素敵な会に行ってきました。

 

一昨日は、赤坂のCasa Classicaで行われた

板東 靜さんのライブコンサート。

音楽で哲学するライブだ!

という感想を述べた方もあるくらい、

深くて広い世界が繰り広げられました。

 

婆娑羅(バサラ)が好き!(色使いも精神のあり方も)

と語る、枠に嵌らない彼女ですが、

それはとても自然な流れで、

一心に生きてきたらこうなった!

と言うしかないもの。

数学も占星学も亡くなった方々との交流も

いま生きてあることへの想いも、

ハイテクも民族楽器も生きた声やピアノの響きも

深山を渡る風の声や水の音、

修行僧の魂も東京の街中の喧噪も

すべてが靜さんの音楽の中に溶かし込まれて…

まさに、音楽を生きている方がここにもいました。

 

 

そして昨日は、

世田谷美術館の企画展、

志村ふくみさんの「母衣への回帰」の関連イベントで行われた、舞踏とオイリュトミーの会「美紗姫物語」へ。

 

師、笠井叡の変幻自在さ、時空を超えた表現を堪能し、

笠井潔さんのフルートにうっとりしながら

上村なおかさん、笠井禮示さん、浅見裕子さんのオイリュトミーを愉しみ…

お話は、第二次大戦中、20歳の志村ふくみさんが、

空襲の音に脅かされながら書き綴られたというもの。

生命を輝かせる物語の世界に浸ることで、命を脅かす爆音の中を生き延びられた

若き日の志村さんのお姿が心の目に焼き付きました。

 

 

生きよう! 全身全霊で生きよう!

満月を目前に、二つの夜から伝えられたメッセージを、

心に刻みました。






チャンスの神様と鉢合わせ2016/10/27 22:12

ふとしたはずみで、

「高尾山の生物多様性ガイド養成講座」を

受講し始めてしまいました。

講座について知ったのは、開講前日(おととい)の夜。

「え?面白そう!」と思っていたら、「行ってみれば?」と夫の一言。その晩のうち(10時過ぎ!)に突然参加を決めてしまいました。

開始時間が朝早めだったので何も考えずにとっとと寝て、

昨日、初回の講座に参加してきました。 

 

登山らしい登山の経験もないのに、

いきなり、なぜガイド?

この歳で…、知識もないのに…、忙しいのに…、

考える暇さえあれば、否定的なことは山ほど思いついてしまいます。

もともとが引っ込み思案なたちですから、もう少し時間があったら受講をあきらめていたかもしれません。

 

でも、案ずるより産むがやすしでした。

昨日の段階では、自分で思っていたよりも(長く生きている分?!)、植物についても、他の知識も案外持ち合わせている感じがして少し安心しましたし、

講師の方が丁寧に一から教えてくださるので、まじめにやっていけば大丈夫そうです。

これから、一年半をかけて30回ほど高尾山に通い(雪の夜の観察会もあるそうです!)、

ばっちりマスターした暁には、

オイリュトミーを教えているこどもたちにもガイドできるかも!と思いついたら、がぜんワクワクしてきました。

それに、実はこのごろ、いつのまにか人と会うのが好きになっている自分に気づいていたのでした。いろんな人と会って、大好きな高尾山のこと、動植物のことを伝えられるなんて、素敵ではないですか。

 

そもそも、よく考えてみれば、自然の営みについて詳しくなりたいと、ずっと思っていたのです。

それなのになんとなく、自分には無理かなぁ、どうすればいいのかわからないし…と腰が引けていたのでした。

そんな態度に業を煮やしたのでしょうか、ありがたいことにチャンスの方からずしずしとやってきてくれて、

生来の引っ込み思案に顔を出す暇も与えず、強引にさらってもらえました。

 

幸運の女神は後ろ頭が禿げているのだそうですが、

どうやら前髪はふっさふさのようで、鉢合わせしたら絡めとられた!という気分です。

いささか乱暴な女神に、感謝しています。

                   高尾山のケヤキ


                      シロヨメナ