フォグ・ハイダ2014/08/06 15:02

図書館で予約していた本が、やっと届きました。

ひと月半ほど待ったでしょうか。

やはり人気のようです。

 

森博嗣さんの本と出合ったのはつい先ごろのことです。

電車に乗っている間に読むものがほしくて書店に立ち寄ったとき、きれいな装丁の本が眼についたのです。

文庫化されたばかりの「ブラッド・スクーパ」でした。

スクーパ? ああ、The Blood Scooper

普段なら、決して近寄らなさそうなタイトルの本です。

が、美しい装丁に惹かれ、なにか普段とは違うものを求めるような気分にも背中を押されて、ざっと解説に目を通し、初めの数ページを読んでみると、ちょっと不思議な、澄んだ空気が流れていました。主人公の在り方が魅力的なように思って購入しました。

 

電車に乗るのももどかしく読み始めると、独特の世界にすっかり引き込まれ、目的地についても、なかなかその世界から離れられなくて困るほどでした。

そのころ、立て続けに何冊か、深く心に響く本を読んで

いろんな思いが自分の中に渦巻いていましたが、

ブラッド・スクーパを読み終えたとき、

それが一気にぐるぐるっと大きく輪を描いてつながりあい、すとんと腑に落ちたような気がしました。

 

シリーズの2冊目ということだったので、すぐに一冊目の「ヴォイド・シェイパ」も買い求めて読みましたが、三冊目はまだ文庫化されておらず、図書館で予約しました。

他のものも読んでみたいと調べていくうち、森博嗣さんはすでにミステリの分野でものすごくたくさんの本を出している、たいへん人気の作家だということ、以前夫が映画を見て面白いといっていた、「スカイ・クロラ」(これもシリーズになっています)の原作者でもあることなどがわかってきました。最近、自伝的小説という触れ込みに惹かれて「喜嶋先生の静かな世界」も読み、「ヴォイド・シェイパ」や「ブラッド・スクーパ」を満たしている、独特な透明感の源泉に触れたような気がしました。

 

それが剣であれ学問の研究であれ、道を究めたいと思いつめる気持ちには、深く共感できます。

結局、人はそのために生きているのではないかとも思うのです。

 

フォグ・ハイダ、読み始めました。またあの世界に戻ってこられたという喜びがあります。森作品の口コミを見ると、中毒状態に陥っている読者が多いようなのですが、

うなずける感じがします。





コメント

_ Az ― 2014/08/10 19:04

フォグ・ハイダはシリーズ4作めで、3作目は「スカル・ブレーカ」でした。
こちらはすぐに借りられたので、どちらも読みました。
迷いながら、考えながら生きている主人公の姿に共感します。

このシリーズの次はまだでていないので、
「スカイ・クロラ」シリーズの一冊目、
「ナ・バ・テア」を借りてみました。
タイトル(None But Air)も魅力的です。
楽しみにしています。

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