人は いろいろ2010/05/07 13:17

可憐
昨日、
「あいうえおいりゅとみー」
さんの、二回目の
ワークショップがありました。
さまざまな人生のステージがありますので、それぞれにしっくりとなじむ内容にしたいと思い、子供さんは別の日に機会を設けて、昨日は大人だけの会でした。

歩行や、直線の動き、
空間との関わりといった
基本的なことを、丁寧に
ゆっくりと行いましたが、
とても集中して取り組んでいただけました。前回からはひと月近く経っているのですが、やはり、一回目とは動きがまったく違っています。積み重ねの大切さを感じました。

面白かったのは、最後に、金子みすずさんの詩を、フォルムで動いていただいたときです。
りんごのような、ハート型のような形があったのですが、どうしても最後の部分で反対向きに動いてしまわれる方があったのでうかがうと、ハート型は、上から下へ片方を描いたら、もう片方もまた起点に戻って上から下へ描かなければいけない、と、どうしても思ってしまう、とのことでした。
オイリュトミストが点から点へワープするわけにいかないので、基本的にフォルムは一筆書きのようになるんですよ、と申し上げると、「ああ、なるほど!」と納得していただけましたが、私の方も、「ああ、こういう発想もあるのか!」と、とても新鮮でした。
そういえば私も、フォルムをつくっていると、離れた所へワープできたらいいのに!と、思うことがあります。

一回目も二回目も、思いもよらないことに出会って、とても刺激的でした。人と出会うというのはこういうことなのだ!と実感して、本当に楽しいです。そしてそれは、普通に出会ったのではなかなか気付かないような、オイリュトミーならではの出会い方であることも感じて、わくわくしています。


次回は、6月11日(金)の午後1:30からに決まりました。
いつからでも、一回だけでも、気軽に参加していただける内容になっています。
どうぞお越しください。

(文中の出来事は、ご本人に許可をいただいて書いています)

発達障害と生きる2010/05/21 13:18


『私たち、発達障害と生きています』という本を読みました。

けなげな花

タイトルのとおり、さまざまな発達障害の当事者がそれぞれの経験を述べているのですが、試行錯誤の末にたどりついた現在の立場からのアドバイスも書かれていて、
当事者や保護者、指導やソーシャルサービスなどに関わる方、
どんな立場の方にもわかりやすくて心にすっと届く、とてもいいガイドブックになっています。

まず驚いたのは、生々しくなく、理性的に書かれていることです。
とても辛い経験をくぐり抜けてきている方々なので、さまざまな思いがあるはずなのですが、その時の状況も自分の感情も、きちんと整理された形で客観的に説明してくれているので、書かれていることがすっと受け取れます。
アドバイスをするときに、押しつけがましくないように細心の注意が払われているのにも感心しました。
彼らのそれまでの人生が苦しかったのは、無理解によるものはもちろん、善意からのものも含めて、まわりじゅうからのあらゆる押しつけに翻弄されてしまったからだということを、
はっきりと認識している方々だからでしょう。
一人ひとりの違いを認めて肯定する考え方に出合い、つらいときに、繰り返し
「一人ひとりは異なっている。それがいいことなのだ」という基本に立ち戻ることで、
それを脱してこられたからこそ、徹底することができているのだと思いました。

いろいろなことを、とてもたくさん考えました。
発達障害、とくに自閉症というのは私にとって、
とても大切に思っている古い友人にも深くかかわってくる、大きな問題です。
いま、ここにまとめて書こうとしたら収拾がつかなくなりそうなので、
ゆっくりと時間をかけて考え、折にふれて少しずつ書いていこうと思っています。

夕暮れの木立