愚者の贈り物 ― 2009/12/25 23:07
今年のクリスマスは、ちょっとドキドキでした。
私は出無精なので、
用事がない限りなかなか一人で出かける機会がなく、
最近、そのチャンスに恵まれなかったので、
相棒へのプレゼントを用意できなかったのです。
幸い、
今日(25日!)なら一人で出かける用事があるので、
そこで選ぶしかない、と思っていました。
そして今日。
予定通り一人で出かけたのですが。。。
なんと。。。
こともあろうに、
お財布を忘れて出てしまったのです。。。
持っていたのは、
たまたま別にあった5千円札が一枚だけ。
さて。
これだけで、どうにかしなくてはなりません。
本当は身につけるものを買いたかったのですが、
1円でもオーバーできないとなると、ちょっと難しいかもしれません。
どうするか。。。
悩みながら歩いていると、子供のころ大好きだった、
「みどりのゆび」という本が目に入りました。
以前から、魅力的だな、と思いながら
何となく入れずにいた、小さな絵本屋さんでした。
すこし前につれあいが言った、
「本を贈るっていうのは、
ちょっと特別な愛情表現だよね」
という言葉を思い出しました。
入ってみるとそこは、
宝物を詰め込んだ隠れ家のようなところでした。
入口の近くには、
大人向けの、言葉について書かれた本や、
洒落ていてユーモアもある素敵なデザインを集めた本
などが並んでいて、さらに少し中へ入ると、
ずらっと並んでいたのは、
懐かしい作家や新しい作家の、
まさに宝石のような上質の児童書ばかり。
どれも、しっかりとした信念とセンスで選び抜かれたものであることが伝わってきます。
私自身のためなら、どれを選んでも正解だろうと思うほどのみごとな品ぞろえでしたが、
今日は、
夫が喜びそうなものをみつけなければなりません。
幸せな時間を過ごしながらいろいろ考えて、
ブルーノ・ムナーリの「ムナーリの機械」という本と、
ル・グウィンの「ギフト」を選びました。
(本当は「ラウィーニア」にしたかったのですが、
100円オーバーしてしまうので諦めました)
お財布を忘れたおかげで
夢のように素敵な本屋さんと出会い、
とても幸せなクリスマスでした。
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