オイリュトミーのこと2009/09/19 18:26

まずはオイリュトミーの説明をしなくっちゃ!と考えたのですが、「オイリュトミーのこと」なんていう大それたタイトルをつけたら書きあぐねてしまって、始めたばかりのブログが、いきなり放置状態に。。。
ややこしいことを先延ばしにする性格を、なんとかしなくてはなりません。
と、いうわけで・・・遅くなりましたが、なんとかやってみます。
概要についてはいろんなところに載っていると思うので、ここでは、初めての方にもわかりやすいように、私なりの言葉で書いてみようと思います。

オイリュトミーを創始したのは、ルドルフ・シュタイナーという人です。もともとは人智学(Anthroposophy)の創始者で、そこから実にいろいろな分野が展開したのですが、オイリュトミーもその一つです。

まずは、試しに「くくくくく」と発音してみてください。次に、「らららららら」と発音してみると、体の感じも気分も、全然違うことに気づかれると思います。あああああ、と、おおおおお、でもまた、それぞれに全く違う体験があるはずです。
実は、他人が発音しているのを聴いている時にも、体や心は、自分が発音しているときと同じように反応しています。心はともかく体のほうは、とても微妙な変化なのでほとんど気付かれることはありませんでしたが、最近の科学の発達で、この事実が計測できるようになったそうです。
このような、それぞれの母音や子音の持っている力の流れを、体を使って空間に流そうとするのが言葉のオイリュトミーです。つまり、喉ではなく全身で語るわけです。喉を使って音として言葉を発する代わりに、体を使って、言葉の力、言葉の持っているエネルギーを、動きとして空間に発するのです。

だから、声が聞こえたりオイリュトミーが見えたりしているときには、その言葉の持っているエネルギーが空間に流れていて、私たちは、目や耳で見たり聞いたりしているだけでなく、そのエネルギーも受け取っている、というわけです。同じエネルギーを発するのですが、オイリュトミーでは何しろ使う部分が大きいですし、意識的に行うことですから、言葉のエネルギーを大変ダイナミックに空間に流すことができます。
音楽オイリュトミーも同様で、ひとつひとつの音、長調や短調、インターヴァルなどの音楽的要素に含まれる力の流れを、動くことで大きく空間に流しています。

人智学では、こういった言葉の力の流れ、エネルギーが、人体を形作っていると考えます。そのため、シュタイナー学校では子供たちの健全な発育のためにオイリュトミーが必修科目となっていますし、人智学に基づく医療を提供している病院では、治療のためにもオイリュトミーが使われます。

本当は、こんな風に長々と説明するより、体験していただくほうがずっとわかっていただきやすいと思います。なんだか分からないけれど不思議に気持ちがいい、という感覚から始まり、体の感じが変わった、気分が変わった、ということに気づかれる方が多いです。私の場合は、「どうでもいいことを、どうでもいいと思えるようになった」というのが最初の実感でした。気にしないでおこうと思ってもついウジウジと思い悩んでしまいやすかったのに、オイリュトミーをするとそういうものがすうっと洗い流されて、すっきりと穏やかな気持ちになれたのです。しばらく講座がないと、またいろいろな思いが溜まってしまって、もう、オイリュトミーなしではいられないわ!と思ったのを覚えています。